自由っていったいなんだい

昨日の午後、県立美術館で開催中の「唐絵の系譜 将軍家の襖絵 / 雪舟狩野派」へ再び参上。この手の展覧会は1度観たぐらいでは、作品情報は頭の中に上手く入ってこない。どこらへんにこういう作品があったという、ある程度の印象は残っているけど、それはざっくりとしたレベルで、自分としてはまだまだしっくりとはしていない。とにかく、普段ほとんど観る機会がない美術作品は、美術館で1度観た後に帰ってから画集で復習するなど、準備運動してから観てみないと、感性は柔らかく動いてはくれないからだ。

これもこの展覧会の鑑賞者目線の設定が興味のある人向けに合わせてある。つまり、一般の方に普及するゆとりタイプではないから、とても無愛想と言うのか、展示感情には必要最小限度の情報しか得れないため、一にも二にも予備知識がなくてはならないのだ。言い換えれば、鑑賞者が作品をどのように楽しんでもいい、裁量を持たしてくれている。専門の研究者たちが考えているシナリオ通りに、観なくても解釈しなくてもいい。

なんてたって何百年も前のことだから、小さなことを気にすれば切りはない。そうさ、自由なんだ!こう観なきゃいけないなんて固定観念はいらない。美術館を去る時に、私より1つ年下だった反抗のカリスマと呼ばれたロック歌手 尾崎豊スクランブルロックンロールの歌詞の一節が脳裏に浮かぶ。「自由っていったいなんだい 君は思うように生きているかい」。そして、思った、意外と自由って、大変なんだよねということを。自由って、自分で決めていいから責任があることを。