はみだす

「大いなる若気の至りが個性を育てる」という名言がある。

人の個性は十人十色。誰ひとり同じものはない。だのに、日本の教育はいつの時代になっても、みんなを同じように育てようとする。たしかにそのおかげで知力のレベルはある程度の水準に到達している。しかし、強制的に学習させられたものなので、月日が経てばだんだんと忘れていく。まるでメッキが剥がれるように、自分の頭で考えることが弱くて、自発性に欠ける本性が現れるだろう。

それゆえ、その人の好きなことや得意なことを見極め、個性に応じたアドバイスで背中を押してやり、あとはすぐれたものを伸ばせるように見守るしかない。どうすれば突き出たものになるのか、個性的なものとして活かせるのかを、語り合って見い出していきたい。とにかく、粗削りながら光る個性を大切に育てて、独自性のある創作になることが目的地である。だからこそ、これまでの常識からはみ出したら、チャンスがやってきたと、ほくそ笑もうと思う。