ハングリー精神

人から褒められるために作品制作をしている人は、何かあるとまったく違う作風に変わりやすいのは、人から好ましい評価を得ることを目的にしているからで、その時々に人気や流行っていることを平気で取り入れていく。要するに誰でもいいから認めてくれればいい。美術家らしく振る舞ってはいるだけで、本気で創作してやろうという志があるわけではない。出たとこ勝負で信念なんてないから、見やすい方へ流されていくだろう。

つまり、美術家として生きるために、もっとも大切なことは、どうすれば世の中で認められるかを考えることではなく、自分らしさを追い求めてストイックに取り組むこと。とにかく、他人の視線を気にすることはやめた方がいい。人から見たら稚拙だと言われようと、自分が面白いと思ったらそれでいい。他人に褒められるように制作する必要なんてない。それが世の中に受け入れられるかどうかは、あくまで結果だから最善の努力を尽くすしていくのだ。

ただいま個展開催中の県立大学4年生の川部那覇萌さんは本物のになろうとしている。もちろん、まだまだ駆けだしでスタートラインに立っていなくて、この世界のことは右も左もわからないことだらけ。しかし、そのことはご本人がよく自覚していて、わかっていないことがわかっているから、いつも何かを学ぼうとするし、一所懸命に作品制作へ向き合い、未来への希望を膨らませている。自然に何がいいのかを問い悩む姿勢は初々しいとしか言いようがない。どこまでもそのままハングリーであれ!終わりなき創造の旅を楽しもう!