和顔愛語

今の世の中、コミュニケーション術やトーク術のテクニックを高めるために、基本的なことを勉強できるプログラムがあふれている。しかし、その学んだことだけで使って、人間関係を実際によくすることは簡単ではない。建前ばかりの上っ面なやり取りになりやすい。

やはり、一番大切なのは相手の考え方や個性を尊重すること。目の前にいる方の気持ちを察したり、小さなことを重んじたりして、相手のことを本気でリスペクトしなければ、いくら会話が上手く弾んで盛り上がっても、心のこもった交流をしたことにならないだろう。

禅語にある「和顔愛語(わげんあいご)」。和やかな顔と思いやりの言葉で人に接することを意味する。いつも柔らかく穏やかな笑顔で、相手を思いやる言葉をかければ、自然に和やかな心と心の交流になるという教えだ。つまり、まず自分から笑顔とやさしい言葉で人に接する姿勢がいること。この基本を守って生きれば、明るい日々を育んでいけるはずだ。