暗黙のルール

岡本太郎の著書に「ルールは一応守らなければならない。しかし、ただ大勢の人たちが守っているから、自分も従っていくという意志のなさではなくて、ルールは守ると同時に、内なる自由、抵抗をつねに持っていく。そのような大らかで激しい心を、人間的な誇りとして持たなければいけない」という一説がある。

いわゆる「暗黙のルール」とは明文化されていないもの。要するにハッキリとルールには決まっていないけれど、雰囲気としてみんなが守っているルールのことを言う。この世の中は白と黒ばかりでは語れない。また、人それぞれの好きと嫌いで語ってもいけない。その真ん中にグレーゾーンがあって、ここが一番広くて多様性に富んでいる。ハッキリとさせないルールにすることで、常に移りゆく社会の中で、その時々に最善の価値観を求めて、しばしばルールを変化させていけるはずだ。

つまり、この世はいつも変化するものだと思って、一つのことに執着しないように心掛けていく。人生を謳歌している人になりたいなら、いつでも初心者のつもりでいることが大切になる。学校で教わった固定観念や常識に押しつぶされてはいけない。どんな人でも可能性というものは、本人が考えているより高いところにあるもの。何かをしようする時は極端に走らず、頑固で独りよがりにならないようにして、視点を少しずらしながら見つめれば、まったく同じものに異なる面白さを発見することができるだろう。