愚直

いわゆる幼い子供は何かに憧れて、そうなればいいと想像して興奮しやすい。それは浮世離れしていて、リアリティーがなくてもいい。なぜなら、子供にとって大切なのは大きな夢を持つこと。例えあり得ないレベルだったとしても、堂々と言葉にした方が潔くていい。もちろん、遠くない未来に現実の壁がやってくる。中2病と呼ばれる頃になったら、世間の冷たい風に遭遇して目が覚めてくる。何ごとも自分で体感して初めてわかるもの。さまざまなことを味わううちに、身の丈はどれくらいかを知っていくのだろう。

だけど、美術家になりたい夢は、世間一般とは別枠である。ちょっとやそっとできなくても、無理に答えを出さなくてもいい。実際になれるかどうか考えても仕方がない。頭の中で考えようとせずに、作品制作することに力を注いでいこう。言い換えれば、なれる日がやって来るまで、結論を出す必要はない。落ち着いて、のんびり、じっくりといく。焦ることなく、慌てることなく、手を抜かずに取り組む。美術家とはその人生を美術に捧げた人。自分のペースで創作をこつこつとやり続ける人のこと。つまり、ありのままの自分の感性で愚直に努力すればいいのだ!