まなぶ

「物事の基礎を学ぶうえで、他人の真似をすることは、むしろ好ましいことである。問題は単なる真似なのか、真似を通じて自分のスタイルを創っていくかである。単なる物真似は、進歩の放棄でしかない」というナポレオンの名言がある。

「学ぶ」という語の元の意味は「まねぶ」だったと言われている。なぜなら、ものごとを学んでいくためには、まずはすぐれているものを鑑みて、それを模倣することが出発点になるから。先人の業績を参考になぞったり、他の人の良い面を真似するうちに、自分の才能や感性が磨かれて、これまでと違った新しいものを探り出し、独自性のあるものに挑戦できるのだ。

ただし、真似ばかり長くしていると模倣性が強くなり、それにつれて、オリジナルなものをひらめく力が低下していく。また、模倣だけやっていると、真似るものがあるうちはいいのだが、真似るものがなくなると、とたんに途方にくれてしまう。新しいものを創る能力が養われていないツケを払うことになる。つまり、真似るには限界があるから、自分でやる意欲を大切にしていこう。