山口発

私はいつも山口という土地でやれる美術とは何かを考えている。それはめちゃくちゃ凄いことをやりたいという野心に満ちたものではなく、もっと単純な動機で、ここにいる作家たちと何ができるだろうを考えているだけ。生まれ育った場所にある文化と向き合い、ここで新しくやれそうなものを少しでも探り出し、自分たちにできることがあれば、それをもっと発展させられるように努力しようと考えている。

つまり、山口にいる美術家の個性を活かすには、いったい何をすればいいのかの意識していく。いわゆる都会の美術シーンを模倣したところで、基本的な条件が何もかも違い過ぎるため、見よう見まねのレベルで終わってしまう。だから、できることから始めていく。何ができるのかを知っていくこと。ただ普通に自分らしさを追求すればいい。とにかく、自分たちがやっていることを信じられるように、より素晴らしいものを求めて、創意工夫と試行錯誤を繰り返していくのだ。