チャレンジャー

岡本太郎の著書に「危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。本当はそっちに進みたいんだ。危険だから生きる意味があるんだ」という言葉がある。

ここ数年、美術家を目指す若者に会って話してみると、堅気の世界と一線を画すことをわかっていない人が増えている。普通に真面目に努力していれば、それなりに報われる一般社会と違い、その人なりに最善を尽くしたとしても、まったく評価してもらえず、ただただ時が過ぎていくだけのリスクを理解していないのだ。

それを承知しした上で挑戦するのなら潔くていい。美術家は目指したところで、実際になれることは厳しい。いくら自分が向上しても、新しい人材が現れてくるし、世の中も常に変わっていくから、一時の予断も許してはくれない。あまりにも危険なことばかりあるけれど、それでも熱くなってやろうとする人なら大歓迎!美術にとって危険を冒すことと、創作していくことは同じこと。つまり、美術界に安全などというものはない。可能性へのチャンスがあるだけで、勇敢に立ち向かっていくだけだ。