強い気持ち

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2002年5月14日。真夏を思わせる強い日射しの山口市で中国大会サッカー決勝戦多々良学園玉野光南が行われた。この年の多々良はエース中原君(ベガルタ仙台)や主将・DF江本君(福大)など個々の能力が高い選手が揃うチームで、まずはこの試合を勝って最初の全国(当時は地域大会1位が全日本ユースに出場)出場に期待を込めながらスタンドから見守った。
キックオフ直後、攻め上がった光南からボールを奪った多々良DFは大きく縦に蹴り、それに反応した多々良のFW林君△噺?DFがボールの奪い合いから林君がラフプレーをしてしまった。やれやれイエローカードくらいのことだろうと思いながら審判を見てみると赤い紙を持っている。「前半2分に一発退場」。あまりの厳しい判定にうなだれてしまったが、ピッチの選手たちは冷静にこの数的不利を運動量でカバーして引けをとらないまま前半を0-0で折り返した。
それにしても暑い。猛暑のため給水する選手たち。そして檄を飛ばす監督。
ハーフタイムが終わり、陣形を立て直した光南は後半立ち上がりからFW苔口選手(現Uー20日本代表)を中心に攻め、6分にコーナーキックからFW大月選手が決めて先制。しかし、まだまだ時間がある。多々良はこの劣勢の展開にも勝負に対する意識は高く、反撃を何度か試みるが守りを厚くした光南を崩せぬまま、ピッチの横で1という数字が表示されていよいよロスタイムになった。絶望的な重たい空気が漂う中、前線の選手を増やした多々良の最後の攻撃は右サイドから高く前に放たれたボールがゴール前にいる長沼君(早大)へ届き、それを頭で押し込んで執念の同点ゴールとなった。
「やった!!」ボールがゴールネットに当たり落ちて転がってからようやく声が出て、息を吹き返した多々良サポーターの誰もがただ喜びを叫ぶしかなかった。
その後、前後半10分ずつの延長戦へ突入。ここでも両者譲らない激しい攻防を繰り広げたが決着はつかず、90分の死闘はPK戦での決着となった。
ここで多々良のキッカーは落ち着いて4人が決め、光南のキッカーには守護神・GK山原君◆憤γ粒惘∥隋砲竜で?撚,契擇蝓■粥檻欧之狹に勝利した。
「勝った!!そうだ勝ったんだ!!」
この試合は今でも鮮明に思い出せるのだが勝った直後のことはよく覚えていないほど興奮していた。だけどこんなゲームに出会えるからこそサポーターはやめられないと感動したことは忘れられない。

(画像は2004年5月)