他山の石

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先週、図書館でふと目について借りてしまった本。3年前に発刊されたもので、現代っ子に社会人として生きるための、スキルやマナーが具体的に書かれた著書だった。この年齢になって読んでみると、「そんなこと知っているわい」と、独り言を言ってしまいたくなるほど、突っ込みどころ満載のマニュアルが記載されていた。たくさんの実戦経験から学んで、すべて常識的だと思うことばかりだった。しかし、よくよく読んでいくと基本的なことを緻密に分析されてわかりやすかった。「なるほど、そうなのか・・・」とうなずくことが多く、また、ボタンの掛け違いで我流になっていることに気づく。知らず 知らずのうちに錆びてしまい、その意味を勝手な解釈で思い込んでいた。結局のところ、読み終わってみたら勉強になった。まったく想定外なことで、なんだか棚から牡丹餅のような儲かった気分がする。
ちなみにこれは良かったと思ったのは「仕事の段取りを覚える」、「雑用に真剣に取り組む」、「小さな目標を実行する」、「自分の視野を広げる」の項である。文章自体はそれほど特筆することはないが、常日頃美術家を志す人に会った際に、アドバイスに使えそうな考え方が学べて、成長を促すためのヒントにもなった。これから始まる長いレースのスタート地点で、どのような思考を持つべきなのか、生き抜くための姿勢とは何かを教わった。やはりすべての道はローマに通じるのだ!つまりこのような本は要領よく生きるために読むのではない。美術は自分の個性とがっちりと繋がっていないと、沖に流されてとんでもない場所へ辿り着く世界。だから自分を客観的に見つめるために、新しい視点や発想を学ぶためにあるのだと思う。