未来予想図

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先日、親しい方が来店された時に、「これからの美術界はどうなると思われますか?」と質問された。そんなことは私レベルでは簡単に答えられないものだと思う。だけど、せっかくの機会なので日頃ぼんやりと考えていることをお話しすることにした。それは「マーケットの縮小」、「価値観の多様化」、「異国からの参入」、「働き方改革」、「ビックデータ」という5つのことだ。これは美術界というより、社会全体の在り方が変わってきているために生まれたもの。すべてはリンクしているのだろう。
ちなみにこのことをざっくりと言えば、まず全国的に美術館の観客動員数減少傾向で、また、昭和時代のような国民的なスターの美術家がいないため、美術への関心が薄れているように思う。次に様々な文明の利器が発達し、手にできる情報はグローバル化されて、自然と価値観は多様化へ進んでいる。また、日本に定住して活動する外国人も増えて、新しい刺激とともに競争が始まっている。さらに美術家の元で技術を学びながら雇用される徒弟制度では今の最低賃金水準は満たせない。古き良き伝統が成り立たなくなった。そして、過去の美術は多くの研究者によって分析されて、創作のメカニズムなどがわかってきた。これによって一から想像するのではなく、必要なコンテンツを選ぶことが一般化されてきた。受験テクニックではないけど、ビックデータを使って、合理的に作品制作できる環境になったのだ。このようなことをそこそこそこの時間に渡って語る。言葉に出すと思い込みや足らないこともわかって勉強になった。やはり思っていることは正誤は別として語り合うことが大切なのだ。自分自身の鑑になる方と生の声で言いたいことを言うと頭の中も整理できる。どんな話題でもなんでもいいから、自分の知識を知るために仲間たちと語り合ってみましょう!
■岸 透子 水彩画展 - VOICESl - 2019年5月31日(金)~6月16日(日) 11:00-19:00 定休 6月11日(火)、12日(水)