無我夢中

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「写真始めて2年ほど経った頃、遊美(写真)塾で新しくMac講座が始まった。写真を加工する?イラストが描ける?アートができる?また夢がふくらんで、真っ先に受講しました。74歳の時でした。フォトショップイラストレーター、英語が多くてよくわかんない。でも何度もやってると体が覚えてくれるんです。授業で習ったテクニックでいろんなアートを創ってみる。こんなのがアートと言えるかわからないとつぶやきながら、思うがままマウスを動かした」というのは、写真を72歳から始めた93歳の写真家 西本喜美子さんの言葉である。

西本さんは心がときめくことだったから、すぐやってみる。停車中の車の横に寝そべって自撮りをしたり、面白くない写真はパソコンで加工したりと、やる価値があると感じたら、すぐに動く。「うまい・へた」はあるけど、「いい・わるい」はないをモットーに、「自分流が一番いい」「自分流が一番大切」と上手く開き直って、自由に伸び伸びと創作を楽しんでいく。たくさんの作品制作へ挑戦すれば、その分多くのチャンスに恵まれるのだ。

つまり、なにごともやってみることで、その面白味がわかってくる。頭の中ばかりでイメージしないで、実際に手を動かすことによって、新しいセンスや感覚が磨かれてくる。最初はそれほど上手くいかないことでも、やり続けるうちに確かな手応えを感じ、興味や好奇心は大きく膨らんでいく。とにかく、やる前の食わず嫌いの壁を乗り越えること。できそうなものから積極的に取り組み、一つずつ努力を積み重ねることが大切になるのだろう。