コミュニケーション

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時々、若い美術作家とのコミュニケーションの取り方について質問されることがある。私はこういう場合には、「ここが長所ではないかと思うものを見つけたら、それをできるだけ幅広い視点から語り合い、相手の良さを引き出していけば、自然と信頼関係が築くことができますよ」と言って、答えるようにしている。

なぜなら、まだまだ発展途上の時期だから、1つの作品に中に上手くできたところもあるし、そうでもない凡庸なところもあったりする。ここは面白い表現になっているけど、こちらは思いばかりが先走ってしまい、イマイチの出来なんてバラツキは日常茶飯事に起きている。言い換えれば、どんな作品にも必ず長所と短所が存在するから、その中の良い面も探し出し、いいところを認めて尊重していけば、相手も自分のことを知りたくなって、自然と会話は盛り上がっていくだろう。

つまり、その人に才能を発揮して欲しいと願いながら接していくこと。今現在のパフォーマンスよりも、未来に傑作を創り出すかもしれないと考え、これから成長するであろうと期待し、好意的な気持ちで関わっていくのだ。きっと、才能は開花するはずだよと、前向きな言葉で励まし続けてみよう。才能は自分ひとりで創られるものではない。人と人との様々な交わりによって創られていく。作品を7お世辞ではなく本気になって褒めて、若いエネルギーを全開させることが大切なのだ。