深層心理

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先週末のNHKEテレ SWITCHインタビュー達人達は、ダークヒーローを主人公にした漫画で、人間の欲望や裏社会の人間模様をリアルに描く漫画家 真鍋昌平氏と、60年近く続くラジオ人生相談や人間の深層心理を分析して解決に導く御年84歳の心理学者 加藤諦三氏が語り合う。
加藤氏の「若い頃、自分が著述業になろうとか、執筆を職業にしようとか、決めたわけではない。とにかく、書くことへの衝動が抑えきれなかった」、「どうしたら著述業になれますか?とよく相談されるが、それを聞いてくる時点で適正はない」、「米国で貧困生活のために罪を犯し刑務所にいる受刑者と対談し、お前にとって何が一番怖いのかと質問すると、意味がない人生と答えてきた。しかし、人生そのものに意味がない人なんていない。お前の生き方が意味をなくしているんだ。こういう社会だからとか、自分は悪い奴だからと言い訳して現実から逃げてはいけない」。「次に書きたいのは人類の救いなる学問のすすめ。誰でも意識の中では幸せになりたいと思うけど、心の中では不安を避けることばかりに捉われている。そんな深層心理に真正面から解き明かさないと人々は穏やかに暮らせない」など、現代人の心を支えるために必要な言葉を次々に発していた。
なんて学べることが多い番組内容だ。翌日、私はもっとお二人を知りたくてブックオフに駆け込むと、加藤氏の文庫本で4冊もあったので買うことする。また、真鍋氏の「闇金ウシジマくん」も見つけたので、こちらもお試しで買って読んでみると、人間のエゴや弱さなどが剝き出しの物語に驚かされた。ただし、様々な理不尽な理由でそうなってしまった人たちがいるのは事実だ。この世には強い人なんていないし、孤独を感じない人なんていない。だから、思わぬことで社会の片隅へ追いやられることがある。そんな人間という生きものを考察できる2つの著書と出会えてよかった。