我が道を行く

創作に完全オリジナルなんて存在しない。どんな美術作品も先人からの影響があって、それを土台にしながら表現していくため、完全にオリジナルとは言い切れないだろう。要するにあまりにも独創性にこだわると、唯一という巨大な壁にぶち当たって打ちひしがれ、もうこれ以上やったところで無駄だと観念してやめてしまうのが普通である。

しかしながら、いくら完全オリジナルがないからとは言え、真似や模倣など簡単に行えるものに流されてはいけない。創作というものは、厳しく管理されている時は、馬鹿なことでも真面目にやるが、甘くなると真面目にやることを馬鹿にしてすぐに手を抜く。ハングリーな気持ちを満ち続けること。緊張感のないところからは生まれてこない。

つまり、そんな本質的なことを理解しないまま、めったやたら作品制作を上手くはいかない。自分はいつでも先人が創った道に触れる可能性があることを知っていれば、常に謙虚な気持ちで創作と向き合うことができるようになる。その結果、平凡なことをやり続けるうちに、自分にしかないものを見つけ出し、個性を発見することができるはずだ。