狂詩曲

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私にとってこの1年を振り返った時に、今年を象徴する漢字は「狂」である。それは異常気象をはじめ、一般社会における出来事など、これまでの常識から外れたことが多く、歯車が壊れてしまった不安感を感じたからだ。どこかで良心を麻痺させないと、世の中は生き辛くなったように思える。

また、やたら白か黒かの価値観で物事を切迫して判断しようとする。やわらかく包み込むような寛容さが減ってしまった。日本人の曖昧は美徳だと言われていたが、このような発想はとうの昔に終わったのかも。一方的にレッテルを張って、力でねじ伏せようと様は見ていて痛々しい。

そこで「狂」を正しく使うとしたら、太河ドラマ・花燃ゆの中で松陰先生が叫んだ「諸君、狂いたまえ!」だ。これまでの常識や知識に縛られていては新しい世界は創れない。その道の先には大きな困難が待っていようが、あきらめずに勇気を持って耐え抜いて進む。普通の精神では行き着くことのできない場所へ、自分の殻を打ち破って突き進もうじゃないか!と、塾生たちに「人の持つ生命力に限界はないのだ!」と鼓舞した熱い言葉だ。つまり熱狂していくこと。同じ狂うのならこっちだ!美術も同じように夢中になって創作していく。その人にしかない個性を愚直に信じて、真っ直ぐに才能を磨いていこう!